我々は、様々な分析手法によりタンパク質などの生体分子の構造・機能を明らかにするとともに、新しいバイオ分析法の開発を行っています。

最近の研究トピック例

金ナノ粒子を用いた超高感度検出法を開発しています。特に、暗視野顕微鏡(DFM) を用いてナノ粒子凝集を単一クラスター観察することによる超高感度分析手法を開発し、バイオマーカー検出への応用を目指しています。これにより疾病の早期診断が可能になると期待できます。

  • タンパク質アミロイドの科学

近年、タンパク質ミスフォールディング病とよばれる、天然構造が壊れ、間違ったフォールディング(ミスフォールディング)をしたタンパク質が凝集することが原因で病気が引き起こされる例が多く見つかり、社会的問題となっています。代表的な疾病であるアルツハイマー病においてはアミロイドβタンパク質(Aβ)などのアミロイド凝集体が主な病因と考えられています。
 我々はナノ粒子を用いた新規分析法による早期診断法の開発、アミロイドによる疾病メカニズムの解明や、他の疾病への関与メカニズム解明、生体内に取り込まれる化合物の疾病への影響評価、化合物や分子シャペロンタンパク質などによる創薬・治療応用を目指した研究など、多面的アプローチによるアミロイド研究を行っています。

  • 電気泳動法を基軸とする天然酵素の分離分析法の開発

生命体の中には多種多様なタンパク質が働きを保ちながら存在しています。これらのタンパク質をそのままの状態で電気泳動法などにより分離分析する方法の開発を行っています。これらの方法は新機能物質の探索法の開発につながります。

  • 姿を変えるタンパク質を分離分析する方法の開発

アミロイドβタンパク質などのように体内で凝集化することにより形を変えるタンパク質が存在しています。これらの凝集化タンパク質をもとの形のタンパク質と分離し、分析する方法の開発を行っています。これらの研究は、疾患関連タンパク質の発見技術につながると考えています。